陰翳礼讃

ダマ

2010年01月17日 23:35

今日から、読み始めました♪

「陰翳礼讃  谷崎潤一郎著」



この本は、陰影を愛でて伝統を紡いできた日本が、電灯の普及によって様変わり
してしまうことを谷崎さんが嘆いています。

古来、蝋燭や行灯などの暗い照明は陰影を写し、その陰影が日本人の美意識
となってきました。

反対に、明るい照明は確かに便利ではあるけれど、でも、心に働きかけることっ
て、少ないかもしれない。

都市化した社会では、明るい夜が当たり前になっています。
本来、自然なものであるはずの「暗闇」を排除しすぎると、自然の摂理に逆らう
ことになって、その結果、おかしなことを考える人間が増えるかも・・
(、と、ここで養老猛司さん風に論じてみました(^^; )

昭和一桁代に書かれた本なので、少々イメージし辛いエピソードもありますが、
『暗いとなんとなく落ち着く』ルーツを知る喜びに浸れる本です。

何度読んでも、興味深くて面白い♪


■あらすじ
著者が生まれた明治時代、照明はランプだった。
さらに昔は蝋燭や行灯しかなかった。
大正になり、暗い灯火から明るい電灯に変わると、陰影が無くなり生活の中の
日本古来の味が失われてしまった。
日本古来の味とは、深い陰影の中に浮かび上がる物体の色・艶・形、そして空
間である。
昭和初期、僅かに残っている日本人としての美意識を、せめて文学の世界にだ
けでも呼び返す。

関連記事