陰翳礼讃
今日から、読み始めました♪
「陰翳礼讃 谷崎潤一郎著」
この本は、陰影を愛でて伝統を紡いできた日本が、電灯の普及によって様変わり
してしまうことを谷崎さんが嘆いています。
古来、蝋燭や行灯などの暗い照明は陰影を写し、その陰影が日本人の美意識
となってきました。
反対に、明るい照明は確かに便利ではあるけれど、でも、心に働きかけることっ
て、少ないかもしれない。
都市化した社会では、明るい夜が当たり前になっています。
本来、自然なものであるはずの「暗闇」を排除しすぎると、自然の摂理に逆らう
ことになって、その結果、おかしなことを考える人間が増えるかも・・
(、と、ここで養老猛司さん風に論じてみました(^^; )
昭和一桁代に書かれた本なので、少々イメージし辛いエピソードもありますが、
『暗いとなんとなく落ち着く』ルーツを知る喜びに浸れる本です。
何度読んでも、興味深くて面白い♪
■あらすじ
著者が生まれた明治時代、照明はランプだった。
さらに昔は蝋燭や行灯しかなかった。
大正になり、暗い灯火から明るい電灯に変わると、陰影が無くなり生活の中の
日本古来の味が失われてしまった。
日本古来の味とは、深い陰影の中に浮かび上がる物体の色・艶・形、そして空
間である。
昭和初期、僅かに残っている日本人としての美意識を、せめて文学の世界にだ
けでも呼び返す。
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